<井波陽子氏『約束』に寄せて> 透き通るその声は、どこまでも伸びやかに突き抜けていく。 その手はグランドピアノの鍵盤の上を踊り滑らかに走り、 丁寧にアレンジされた音たちをダイナミックに奏でる。 そこに田中良太氏のパーカッションと藤木信希氏のコーラス が寄り添い絡まり、 更なる広がりと深みを加え素晴らしい音世界を作り上げている。 潔く力強い作品である。彼女の音楽は、どうしてこうも力強いのか…。 それは きっと、そこに在るものが彼女の「生きる喜び」そのものだからなのだと思う。 例えて言えば、その音楽は「雨」を歌いながらも 既に「雨のあがった後に光が射す」のを感じさせるということ。 仮に彼女が「淋しさ」を含んだ詞を歌ったとしても、その音楽が淋しさの中に沈んでしまうことはない。 後に残るのは力や光、希望・・。 彼女は苦境の時にも、やがてその向こうに訪れる「良い時」を描いて生きていられる人なのだと思う。 いや苦境の時そのものでさえ、どこか楽しんでいるのかもしれない。 それがそのまま溢れて音となり、放たれ伝わってゆく。 それはまさに陽の光のように、時には強く、 時にはやさしく穏やかに、時にはキラキラとしたエネルギー。 さぁどうぞ皆さまも陽光(陽子)エネルギーを浴びて音楽の旅を楽しんでください。 聞き終えたあとには清々しく解き放たれて、生きる喜びの中に浮かんでいることでしょう。 まさしく井波陽子の”約束”なのだから。 付け加えれば、音響的にも素晴らしく、ヘッドフォンなどで聞かれることもお薦めしたい。 更に大きく井波陽子氏の音世界に包まれることでしょう。 竹内 仁美
| 「Cuore」1998-1999 | 「はつなつの」2000.5 | 「約束」2010.5 |